内川木遣り唄(金沢市内川地区) 採譜:松嶋庄次
(エンヤーサッサ エンヤーサッサ)
1 エーどうじゃいナーどうじゃいナー 材木ア大地にべっついた
合いびきせんよにお頼みじゃ(ヨイショ)
顔には紅葉を吹き散らし えんやえんやと曳(ひ)いたなら(アーヨイショ)
材木アずんずん出てくるぞ そこらを思よてエンヤーサッサ
(エンヤサッサ エンヤサッサ)
(はやしことば以下略)
2 エーありがたやありがたや 材木ぁずんずん出てきたぞ
この坂上がれば赤椀で 酒をどっさり飲ますぞよー
足場のよいとこ踏み込んで 力を合わせてお頼みじゃ
そこらを思よてエンヤサッサ
3 エーどうじゃいどうじゃいナー 難じょな所に出てきたぞ
こんな大道でとどめては 力者のかいながゆるんだか
若い衆の腕がたんぽぽか かいなによりを入れ添えて
そこらを思よてエンヤサッサ
◆金沢の南東、犀川の源流、内川の左岸に位置する山間の集落である内川地区がある。そこに伝わる唄でがる。その昔、神社仏閣建立の際、巨木を近郊の山から切り出し、村人たちが木遣りで力を合わせてエンヤーサッサと唄いながら運んだと言う。江戸時代、何度も火災に遭った金沢城や東別院などの仏閣、その建立の度に必要な巨木の運搬は簡単ではなかったようである。昭和47年、内川地区の山本久次さん(没)の唄を基に「内川木遣り唄」として採譜・編曲した。先人たちの労苦を偲び、後世に伝えたい。