田島(たのしま)じょんから(金沢市田島(たのしま)町)             

1 ハアー 一つ唄いましょ じょんから節を(アアツイテコ ツイテコ)唄(うと)てあの娘にちょいと聞かせたい(アアヤッサンマカセ)

 2 ハアー 揃た揃たよ 踊り子が揃た(アアツイテコ ツイテコ)秋の出穂よりちょいとなお揃た (アアヤッサンマカセ)

 3 ハアー 姉と妹に 紫着せて(アアツイテコ ツイテコ)どれが姉やらちょいと妹やら (アアヤッサンマカセ) 

 4 ハアー 踊れ踊れや踊らぬやつは(アアツイテコ ツイテコ)山にかちゃげてちょいと柴刈らす (アアヤッサンマカセ)

 5 ハアー お前百まで おら九十九まで(アアツイテコ ツイテコ)ともに白髪のちょいと生えるまで(アアヤッサンマカセ)

じょんからは、昔から県内かほく市から南は加賀市まで農村の盆踊り唄として分布し、曲は、集落ごとに似たような歌詞やはやしことばが付いている。仏教の「自和楽」「自安和楽」が変化したともいわれ、すなわち仏教踊りだともいわれている。

金沢市の東の山間地、田島町には昔から毎年、秋祭りになると集落の高台の菅原神社の境内で地元に伝わる「じょんから」など踊りの輪が広がり、毎年楽しんでいた。近年、秋祭りから旧盆の8月15日夜の盆踊りとして移したが、じょんからは途絶えていたのである。昔から踊られていた懐かしい「じょんから」を何とか盆踊りに復活しましたが、三味線・太鼓などの伴奏が付いてなく、寂しかったという。

平成30年、地元から北都民謡会に三味線伴奏付けの要請を受け、北都民謡会はそれまで地元で歌われていた唄を元に「田島(たのしま)じょんから」と命名し、三味線譜付けし、リズミカルな曲に再現、平成30年の地元盆踊りから採用された。唄は近隣の森本地区のじょんからに似ているが、はやしには、踊りに着いて来い、の「ツイテコツイテコ」、唄は親っさんに任せまっせ、の「ヤッサンマカセ」と、ここ独特のユニークな曲である。