大河端音頭(金沢市大河端町) 編曲・三味線譜:平山俊春
1 吉田ナー通れば 二階から招く(ハーヨイヨイ)
しかも鹿子(かのこ)の ナンデ振袖に ササヤートコセーノヨーイヤナー
アーリャリャンノコレワノセサ 何でもセー
2 踊りナー踊りは 大河端音頭 (ハーヨイヨイ)
町中揃いて ナンデ夜ふけまで ササヤートコ老いも若きもナー
アーリャリャンノコレワノセサ 踊ろうよ
3 今宵ナー満月 鎮守を照らす(ハーヨイヨイ)
響く太鼓に ナンデ笛の音(ね)も ササヤートコ月の世界まで
アーリャリャンノセサ 届けよ
4 畔をナー通れば 稲穂の波よ (ハーヨイヨイ)
茎葉(くきは)は 緑のナンデ笹のような ササヤートコ風も爽やかよ
アーリャリャンノコレワノセサ 豊作だ
5 お前ナー百まで わしゃ九十九まで(ハーヨイヨイ)
ともに白髪の ナンデ生(は)ゆるまで ササヤートコ隣も向かいもナー
アーリャリャンノコレワノセサ めでたいな
◆ 大河端町は浅野川の下流の左岸に位置する地域である。こんにち海側外環状道路浅野川橋梁の交通の要所や大型商業施設の集積で賑やかな町となっている。藩政時代、この付近には田園が広がり、河岸には葦とマコモが生い茂っていたという。大野港で荷揚げされた海産物が浅野川の大河端揚場に待つ船に乗せ換えられ、浅野川上流の尾山(金沢)の揚場まで運ばれた。大河端では揚場や船にかかわる人らで賑わっていた。大河端音頭はそのころから唄い、伝えられといわれている。
地元では戦前戦後からも地元有志のご努力で大河端音頭が唄い踊り伝えられ、平成10年、昔から伝わる録音したカセットテープを発見し、再認識されて、それを採譜復元、踊りを振り付けし、町内の盆踊りや大河端小学校運動会などに披露されてきた。
令和6年、関係者から大河端音頭をさらに親しみやすい唄と踊り振り付けにしようと大河端町に在住する北都民謡会吉倉保治事務局長に相談、北都民謡会の平山春津音が編曲、併せて踊りは地元在住の吉倉保治・吉倉くに子が新しく振り付けした。
なお、以前から存在していた大河端音頭は歌われることもあることから曲名を新しく誕生した「新大河端音頭」とした。