御手古衆節(金沢市鞍月地区) 採譜・編曲;松嶋庄次
3 米の なる木で 草履を作り 歩きゃナー小判の 跡がつくわ
4 今日は日も良し 天気も良いし 戸水 八幡の秋祭り
5 嫁サ 貰うなら 饅頭屋の娘 肌は 餅肌
6 あの娘(こ) 好きな娘だよ わし見て笑ろた わしも見てやろ笑ろてやろ
7 この家 屋形はめでたい屋形 鶴がご紋に巣をかける
8 嫁さ もらうなら 豆腐屋の娘 豆で四角で柔らかい
9碓氷(うすい) 峠の権現様は わがためには守り神よ
後ばやし
「祭りのお酒に酔い潰されて カボチャの畑でカカシと寝たら カラスが目覚めてカーカーと笑ろた アどっこいどっこいどっこいどうだい」
◆その昔、前田加賀藩主の参勤交代のときには、荷方を勤めた人たちのことを「御手古衆」といい、鞍月の村々の人々もその荷方の人足に度々駆り出された。戸水八幡神社の祭りでは、豊作を祝うとともにお神輿を先導する「御手古」の行事が行われていた。
「御手古」の行事は、男たちが化粧し、女性用の襦袢を着て、道中笠をかむり、孟宗竹や米俵などで作った大きな荷物の上に「おかめ」の面をを取り付け、それを大勢で担いで「ヤーラヤラヤラヤーレー」と囃しながら門付けして歩いた。これは参勤交代のお荷物道中を真似た荷方人足の様子を表現したようである。
昭和初期頃の尾山まつり(現金沢百万石まつりの全身)では、各村々から繰り出す伝統芸能とともにこの「御手古衆」も出し物として活躍したといわれている。
これまで、細々とその伝統を継承してきたが、さらに誰でも歌えるように、平成12年、以前この唄を歌っていたという伝承者の孫田喜作氏の唄を基にこの「御手古衆節」としてまとめたものである。
◆平成12年、松嶋庄次がこの唄を発掘し、三味線譜を完成させ、同年、東京両国国技館で開催の日本民謡協会全国大会の舞台で紹介したのが最初の発表である。永井幸子が、ユニークな踊り振付けし、舞台発表が完成した。