長田権作音頭(金沢市長田町地区)    編曲:伊崎八郎  三味線採譜 伊東邦夫

1 おらが在所の権作様は(ソレ) 心鎮(こころしず)める鈴振りなさる(ホヤ)

  村のまとめにヨオホー 東に西へ (ハヨイヨイヨイヤサカヨイヤナー鈴を鳴らして村つくり)

  (以下はやしことば略)

2 おらが在所の権作様は 大工木挽きに桶屋もなさる)

  人が頼めばヨオホーイ 嫁さの世話も 

3 おらが在所の権作様は 童(わらべ)集めて手ほどきなさる いろはの文字にヨオホーイ 手まりの唄も

4 おらが在所の権作様は 実り豊かな村秋祭り

うたえ踊れやヨオホーイ 鎮守の森で

 

◆約500年前富樫氏が加賀の国を治めていた時代、まだ荒地だった長田に富樫氏から担当官として派遣され、居を構えたのが、権作さんであったという。権作さんは人望が厚く、行政手腕に優れていたため、人々から大変慕われ通称「鈴振りの権作さん」とも言われた。彼は、人の心を鎮めるために常に鈴を振り鳴らし、荒れ地開拓や喧嘩を円満に解決したという。歌詞の中に「鈴」はそんな彼の姿を見て、人々が鈴振り権作と呼んだことに由来している。そんな彼の偉業を称えて昭和63年頃に作られたのが、権作音頭である

◆毎年7月、第3土曜日の夕方に金沢駅西近郊の5校下(地域)による「駅西夏まつり」(令和年5年夏現在第34回)が開催されている。まつりは、長田校下の「長田権作音頭」、鞍月校下の「南無とせ節」、諸江校下の「諸江住吉おどり」、西校下の「加賀むぎや節」、戸板校下の「戸板野じょんから」、さらに駅西に共通する「天保流れ節」の踊り曲が登場し、特設舞台では、参加する各校下が順番で音頭取りするが、参加の他校下住民もすべて踊りをマスターしていて、5校下参加住民が総踊りする地元色の濃い盆踊り大会である。
長田権作音頭」は駅西まつり当初から既存の「長田権作音頭」レコードを使用していたが平成24年の第26回駅西夏まつりにそれまでの「長田権作音頭」を軽快な楽しい踊り唄に編曲し、生伴奏でお披露目し、これがこんにちまで続いている