森本ハイヤサンカサ(金沢市森本地区)

1 ハイヤサンカサ アー ハイヤサンカサ (ハイヤサンカサ)

  アー来たりサー来なんだり 夏日の水は 

  誰がサー上を止めたやら(ハイヤサンカサ)

  (はやしことば・カタガタ部分略)

2 親の意見となすびの花は 千に一つのあだはない

3 さつき 上がりの ささげ餅のうまさ お殿様でもわかるまい

4 四坊の 地蔵様に菅笠かぶしょ  夏の日ざしは暑かろうに

5 山も深谷 情けの出湯  行基 菩薩のお恵みじゃ

6 流れ 絶やさぬ 森本川の  肥やす 田畑は五万石

7 盆の 十五日おどらぬものは もくべ 田圃の草取りへ

 

   金沢市北部森本地区は、古くは北国街道から分岐して越中と南砺方面へ抜ける近道の福光街道を二俣街道の分岐点として賑わった所であって、この土地に伝承されている盆踊り唄である。急テンポの賑やかな旋律である。近郊でこの唄と同類のものとしては「二俣いやさか踊り」、近隣の津幡町では「川尻ちょんがり」、富山県氷見市の「青田踊り」等があるが、いずれも盆踊りとして残っている。

題名の「ハイヤサンカサ」は、「ハア弥栄サイ」「ハアイヤサカサッサ」が転化したもので、はやしことばが題名となったようである。(加賀山昭編「全楽譜・北陸の民謡集」から引用)