正部(まさべ)馬子唄(金沢市森本地区) 発掘・編曲:高山久参
1 (ハイハイ)
正部 ハイ出るときゃ 朝星拝み
尾山 ハイ戻りは(ハイ) 月明かり 月明かり(ハイハイ)
(以下カタカナ部分・はやしことば略)
2 芦毛 七つで白くはなるが
馬と栗毛はいつまでも いついつまでも
3 馬子の情けと お山の月は
日ごと夜ごとに丸くなる 丸くなる
◆ この唄は、現金沢市森本地区の正部(しょうぶ)町に伝わる馬子唄である。今日この町から金沢市内までの道のりは、車で10数分であるが、その昔、経済輸送活動というと人力または馬に頼らざるを得なく、収穫した穀類や炭などを馬の背に乗せて夜明けに出発して戻るまでには夜中までかかるという悠長なものであった。こうして長い道のりを唄いながら馬と歩いたのである。大正、昭和の時代はこれが馬車に発達したが、馬の足では時間的にはそれほど変わらなかった。
正部(まさべ)町は昭和29年、森本地区の金沢市編入の際,正部(しょうぶ)町に変わったが、田畑に正部(まさべ)田など、その名残が存在する。