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加賀長持ち唄(金沢市)
1 こんのなーヨー舘(やかた)はヨー めでたい舘ヨー
鶴がナーヨー御門にヨー アリャー巣をかけたナーヨー
合唱(鶴がナーヨー御門にヨー アリャー巣をかけたナーヨー)
(メデタイ メデタイ)
2 あんにゃまナーヨー おてんこ結うてヨー 蝶々が止まるヨー
止まるナーヨー筈だよ アリャー花じゃものナーヨー
合唱(止まるナーヨー筈だヨー アリャー花じゃものナーヨー)
(メデタイ メデタイ)
3 めでたナーヨー めでたのヨー 若松様はヨー
枝もナーヨー栄えてヨー アリャー葉も繁るナーヨー
合唱(枝もナーヨー栄えてヨー アリャー葉も繁るナーヨー)
(メデタイ メデタイ)
◆ 金沢とその近郊で花嫁道中、あるいは、祝宴が始まるときに祝儀唄として唄った。戦前までお姉さんを「あんにゃま」と呼んでいた。男性は、紋付袴(はかま)、女性は加賀友禅柄の留袖を着込み、金沢ならではの格式を重んじた。
終戦前後までの嫁入りの日は、可愛い娘のしあわせを込めて嫁ぎ先に暖簾をおくる風習があった。
加賀友禅の華やかなで気品あふれる暖簾は、床の間のある座敷の入り口に掛けられ、花嫁はそを潜(くぐ)って入るのである。一層嫁入りの風情が漂い、花嫁を迎える準備が整う。
元来は、江戸時代の参勤交代の大名行列のお手古衆という荷物運搬方がうたった道中唄であったという。
◆歌詞に合唱とはやしことばが付加されているが、これは、平成17年JTB主催「第100回記念杜の賑
わいインいしかわ夢百万石」が金沢で開催された際、花嫁道中で演出、道中繰り返し合唱を採用したところ、
実にマッチした雰囲気が醸し出され、内外から好評を博した。