加賀百万石松づくし(金沢市)     作詞:喜多 正敏 採譜:作曲・編曲:加賀山 昭

 

<前唄>

うたい囃せやお大黒 昔語れば加賀の国 殿の鹿狩(しかがり) 狩鹿野(かりかの)ぞしだれ桜におほめの言葉

休みし茶屋で踊らせし 百万石の松づくし

<本唄>

1 始め見せたや御手洗池(みたらしいけ)の 片目ぶなや連理松

二つ不思議な七窪地蔵 後になびくは浜の松

三つ見えるは浅野村 そびえ立つは大々松

四つ世の中平和にて 亀もはいづる庭の松

五つ銭五の街道松 松の嵐で 船はせる

六つそなえた美しさ 殿のお庭ぞ 兼六園

七つ仲良く相生(あいおい)の 赤松黒松夫婦松

八つ末広繁盛 根上がりの松の おもしろや

九つ心が都よりたむけられたし 手向(たむけ)

十で殿がお手植え 松なるは池に 映れし唐崎(からさき)の松

 

2 かつら坂 登れば石川門

  辰巳用水 ゆるやかに

  ことじ灯篭(とうろう) 涼しげに

  虹橋 亀橋 たいこ橋 霞ヶ池に流れは入る

  又春咲かすは菊桜 夏は緑で 秋紅葉

  冬の雪づり幾中越(こ)ゆる 百万石でお目出度や

 

◆かほく市狩鹿野地区で歌い踊られていた「松づくし」を「加賀百万石松づくし」として昭和61年に創作した美しい曲である。詩章は、武家屋敷や兼六園の見事な松が、四季通じて変化あるいは角度により変化し、その景色が心を癒してくれる。