一針機織(はたお)り唄(小松市)
1 月はかさなる 身は重くなる
殿さ通いは うすくなる
2 ござりゃ月夜じゃ ござらにゃ闇じゃ
ござりゃ月夜の 真夜中じゃ
3 糸は切れ役 わしゃつなぎ役
承知しながら 腹がたつ
4 娘かわいや 何時来て見ても
たすきなげおく ひまもない
◆各地方で聞かれる機織り唄と同じ系統と思われる。明治40年頃、日露戦争が終わって一針地区にも機織機が入ってきた。当初は珍しく村中が大騒ぎになった。しばらくしてどこからとなく、この唄が流行りだした。仕事のつらさと、身重のつらさから愚痴(ぐち)唄のようである。昭和58年、発掘。(小松市「ふる里の民謡」第1集小松郷土民謡会編から引用)