船玉節(金沢市金石地区)

1 この御酒(ごしゅう)は 船玉のお祝いの御酒じゃ  

 参りアイ参らにゃ 御酒が 御酒がアイ無になるオイ酌が

エイヤーアエー エール ()になる

中唄

よいちゃこら よいちゃこら

この御唄のおもしろさ 何に例えて申そうや

海老に例えて申そうならば

海老は幼少より髭長で 

背には梓(あずさ)の弓を張り

腰を伸ばして跳んだところで

やっちゃー もう一つ もう一つ

 

2 長き夜の 遠の眠りのアイ みなめざーーめ

 波乗り アイリ船の オイ音の

 エンヤーエー よき かな

 

3 鶯が 梅の小枝に 巣をかけて  花を 枕に 月 おがむ

4 長き夜の遠の眠りの みなめさめ  波乗り 舟の 音の よきかな

5 大船の 艫の櫓に 松植えて  松の 御風 船走る

6 上がりには 若狭までとの 約束に  三保が 関

7 新屋敷 引いてならして 井戸掘れば  水も出る出る 黄金ざくざく

 

◆この唄は、およそ300年前から金沢・金石地区に伝わる民謡である。文化・文政・天保治時代、銭屋五兵衛を初め、数多くの船持ち(船主)たちは、毎年 旧暦の1月10日を起舟の日と言って航海の安全を守る神様、船玉を(まつ)、大酒盛りを行った。この際歌ったのが船玉節である。 宮腰(現金石)の港を根拠とし藩の御手船」が出入りし盛んであった。