あゝ鳥越城(白山市鳥越地区)        作詞:森川外喜子  作曲:松嶋庄次

 

 一向一揆百姓の 持ちたる国を 守らんと

 命をかけた(いしずえ)に 桜ほの散る城の(あと)

    あゝ歴史は遥か 鳥越城

 

2 御山(みやま)の裾を清らかに 流れる川や大日の

  仏の御名(みな)を血に染めて 夏草繁る城の址

  あゝ歴史は遥か 鳥越城

 

3 はや白山は 雪化粧 襤褸(ぼろ)をまとえどもやすらかな

    (かばね)を散らす上限の 月冴え渡る城の址

 

(浪曲風)

退()くは地獄ぞ進めよと 南無阿弥陀仏の筵旗(むしろばた)

立てて篭った祖先たちの 声こだまする城の址

 

4 時は移りて五百年 御祖先(みおや)の墓は苔むせど

  御法(みのり)(ともし)高々戸かかげて明かし城の址

あゝ歴史は遥か 鳥越城

 

◆鳥越城は、天正8年から3年間にわたり、加賀一向一揆と信長軍との激戦で最後の砦となった城である。鳥越城の戦いは、信長公の加賀一向一揆討伐により柴田勝家の攻撃から始まったが、勝家は、和議を申し入れ、鳥越城主の鈴木出羽守らを松任城で謀殺したうえ、鳥越城をすざましい戦いで攻め落とした。しかし、一揆勢は立て直し、城を奪還するが、佐久間盛政軍により再び攻め落とした。一揆勢はさらに奪還を試みるが、強大な信長軍勢に太刀打ちできず、落城し、信長軍の壮烈極まる残党狩りで戦いに敗れた300余人の白山山麓門徒が(はりつけ)にされた。純粋な気持ちで戦い、そして果てて行った農民たちの哀れさを想うとき、指導者に対する憤りの念はいつまでも残るであろう。